和光中学校

「日本の子どもたちは、物心ついたときからインターネットやタッチデバイスなどのデジタル機器に取り囲まれて育っています。しかし、オンラインでの適切な振る舞い方については、家庭でも学校でもきちんと教えているとは言えません。DQは、子どもたちがデジタル社会を生きる力を能動的に学んでつけていくプラットフォームと言えるでしょう。」
小池則行氏
学校法人和光学園和光中学高等学校情報科教諭
GEG新宿Shinjuku Leader
Adobe Education Leader


「共に生きる」を目指す学校

幼稚園生から高校生までが同じ敷地内で学習する和光学園では、その広大なキャンパスあってか伸び伸び勉学に励む子どもたちが多い印象を受けました。今回はその中で、「共に生きる」という教育目標を掲げる和光中学校を訪問しました。「この世界にはさまざまな人がいます。学校という社会にもいろいろな人がいて考え方や好みもいろいろです。大事なことは、さまざまな人たちと「共に生きる」にはどうしたらいいのかを学んでいくことだと考えています。」(和光中学校HPから引用)というのが和光中学校の理念です。

そのため、和光中学校ならではの特徴がいくつもありました。まず校則はごく一般的なもの以外は設けておらず、そのほとんどは生徒同士が主体的に議論し、つくりだしていきます。元々あるルールだから守るのではなく、常識を疑い納得のいかないルールは改良していくのが和光の子どもたちにとっては普通のようです。授業では、教員が一方的に話すのではなく、生徒一人ひとりが疑問や考えを表現し、お互いの対話を通して、生徒の生きる力、仲間とつながる力を育てています。それゆえカリキュラムは中高6カ年を見通して編成されています。自主教材を用いて「なぜ」を問うことを大切にし、深く、協働的な学びを積み重ねて、豊かで確かな学力を身につけることを目指しています。また、生徒・保護者・教職員の代表が集まって話し合う三者連絡協議会(三者協)を設置し、三者の知恵を集めより良い学校づくりを地道に取り組んでいる点も特徴的です。

そんな和光の他の学校より圧倒的に優れている点は、中学校とは思えない充実した最先端の設備が揃っていることです。コンピューター室にはひとり一台iMacが用意されており、なんとコンピューター室は3つも用意されています(中高共用)。また校内は完全無線LAN化が完了しており、普通教室でもiPadなどのタブレット機器やMacbook、Chromebookを使って高速インターネットを快適に利用できる環境が整備されています。

テクノロジーの導入が生徒の主体的な学習には欠かせないと考える小池則行氏主導のもと、和光の子どもたちには日々新しく近代的な授業が展開されています。

第1コンピューター室
第2コンピューター室 

第3コンピューター室

見えなかった力が見えた!DQスコアに一喜一憂の中学生

2018年12月、二日間に渡り和光中学校の中学一年生全クラスでDQ Testを実施してもらいました。(DQ Testとはアンケート形式で質問に答えていただき自らのDQを測るものです。所要時間は20〜30分で、テスト終了後すぐに結果とレポートがメールにて送られきます。)

小池氏は次のように強調します。「今やスマホは日常のツールとしてありますが、一方で扱い方に関する教育が何もされていないことが課題だと感じていました。学習するための効果的なコンテンツが日本にあるかというと残念ながらほとんどありません」。そのことから、日本語で受験可能なDQ Testを今回実施するに至りました。狙いは生徒自身にどの程度知識があって、適切なマナーを持ってネット上でのふるまいができているのかを知ってもらうためです。DQ Testに関して、「DQで測れられる力は、一括りではなく、中学生一人ひとり持つ強み、弱みはそれぞれです。一見、見えにくいDQですが、テストを受けチャートになって表示されることで、それぞれの持つ強み弱みが見える化されます。中学生がこれから生きていく社会で、自分が身につけるべき力について本気で意識した『はじめての日』だったと言えるでしょう。」と小池氏に振り返っていただきました。


これからの社会の必須スキルDQを学校教育に根付かせよう!

今後の展望として和光中学校では、子どもたちのDQを高めるためのプラットフォームであるDQ Worldを活用する計画です。DQ Worldとは、デジタル世界を生き抜くために必要な8つのデジタルシティズンシップスキルを学習するためのオンライン学習プラットフォームであり、誰でも無料で利用することができます。これの利点は、ゲーミフィケーション形式であるため飽きずに進めることができる点です。

和光中学校では、2019年の5月半ば頃に新中学1年生にDQ Testを実施します。その上で子どもたち自身のDQスコア、また点数が低い領域を再認識してもらいます。その後、今までのデジタル世界との関わり方を自分なりに分析してもらい、スコアの低い領域の原因が何かを考える機会を設けます。夏休み直前期には1時間授業の時間を取り、子どもたちに実際にDQ Worldを実施してもらいます。夏休み以降は家庭学習としてDQ Worldを進めますが、クラス保護者会でも話題にし、生徒・教師・保護者の三位一体でDQ Worldの進捗状況やサポートをしていく予定です。12月には再度、DQ Testを受けてもらい、半年間でどれだけの力が身についたのかを測ります。その結果をもとに、自分の取り組み度合いや、自身の生活や意識の変化などを分析し、話し合いをしていこうと考えています。

DQ Worldに関して、「学習者のペースでゲーム感覚で知らず知らずのうちに学べるゲーミフィケーションは、日本語版としてははじめて利用価値のあるものが出てきたと思います。世界標準のデジタルシティズンシップ教育のプラットフォームとして日本でも大いに活用されることを期待しています。」と小池氏は語りました。


                         小池則行氏